どうしても自分の思い通りにならず、立て続けに嫌なことがやってくる。
何故か自分だけ職場に嫌な人が現れて被害を被っている。
このような悩みは誰しもが経験することだと思います。私も「どうして私だけこんな目に合っているんだろう…」と悩むことも多々ありました。
しかし、この原因は他でもない自分自身にある、それを変えるサインだと気づいたのです。
どうして、他者ではなく自己に原因があるのか、またそのように捉えることで嫌なことに対処できる理由を深いところまで掘り下げてお伝えします。
前提:自分のせいではあるがあなた=悪者ではない
「嫌なことが起こる原因はあなたにあります!」
このように言うとこんな風に思う方もいるでしょう。

私は何もしてない!悪いのは他の奴らに決まっているだろ!!!
しかし、別に私はあなたを悪者と認定したいわけではないのです。でも、どう考えても嫌なことが起こったり、嫌な人が現れるのはあなたに原因があります。
あなたの気持ちはわかります。ちょっとむっとする気持ちをこらえて、最後までお付き合いください。
根本原因:嫌な人や嫌なこともあなたが作っている
「世界は私の表象である」ーA.ショーペンハウアー
「知覚しえないものは存在しない」ーJ.バークリー
まず知ってほしいのは、あなたの世界はすべてあなたが作り上げているということです。
私たちは世界という誰にも共通する舞台がまずあって、そこに私やAさんやBくんが生活していて、日々いいことや悪いことが起こって…という風に認識しがちですが、これは正しい理解ではないです。
正しくは、私たちが自分たちに意味のある世界を構築しています。
分かりやすい例を挙げると、あなたがハンバーガーを食べたいときにはハンバーガーの広告ばかりが目に映ったりしませんか。逆に、満腹でおなかがはち切れそうな時はハンバーガーの広告は目にも入ってこないでしょう。
あるいは、周りがガヤガヤとうるさい中でもあなた自身についての話や、あなたが興味のある映画の話だけ鮮明に聞こえたりしませんか。
このように、私たちは自分にとって意味のあるもの、重要なものを自然と寄せ集めて関係性の世界を作り上げています。
つまり、私には私の世界が、AさんとBくんにはそれぞれまた異なった世界が投影されているということになります。
なぜなら私とAさんとBくんでは物事や人に対する重要度が異なるからです。重要度が異なるということは当然意識にものぼらず、それはその人の世界に存在しないということになります。
ゲームに例えると、私は私にとって重要だと思えるものを寄せ集めてオープンワールドの舞台を自分で設定しているということです。

ということは、私の世界を作り上げているのはやっぱり私だ。
嫌なことがあなたにとって重要なことのサインである理由
ここまで考えてくるとある疑問が浮かぶかもしれません。

嫌なことや嫌いな人は私にとって重要度が低いのに、どうして私の世界に存在するんだよ。やっぱり矛盾しているよね!!ふじこふじこ…
確かに、自分にとって都合が悪いものが自分の世界に存在するのは矛盾としか感じられないかもしれません。
しかし、こう考えてみてはどうでしょうか。
「実は、嫌いなものも嫌なあの人も私にとっての重要性自体は高い」
例えば、あなたが嫌いなA子さんを考えてみましょう。彼女は職場の同僚ですが、いつも真面目に仕事をしていません。トイレ休憩の回数も多く、いつも定時で帰宅します。
そのため彼女の行動を見ていてあなたはいつも「どうしてもっと効率的に働かないんだろう…」とモヤモヤしています。
あるいは、クラスメイトのB男くんはお調子者で常に大声で騒いでいます。休み時間はもちろんのこと、授業中でも先生をからかっては授業を妨害しています。
そんなB男君を見ているあなたは「このチンパンジーをどうにかしてくれ」と怒りを覚えています。
A子さんやB男くんのような迷惑の塊に思えない人たちがあなたにとって重要な点は何でしょうか。
それは人によって異なりますが、例えばあなたの信念である「ルールを厳守する」ということに彼らが反していることかもしれません。
あなたは幼少期に「絶対に規則を守ること」を厳しい両親から教え込まれ、H×Hの制約と誓約のように重要なものとしてあなたに刻み込まれていた。そしてこのルールに抵触するA子さんとB男くんを憎むようになったと考えることもできます。(実際、多くの人に当てはまりそうです。)
あるいは、あなたは成長するにつれてルール厳守マンであることに疑問を持ち始め、何事にも縛られない人に憧れを抱きつつも、自分はそんな人間にはなれないと屈折した感情を抱き始めていたのかもしれません。
もちろんケースバイケースですが、何かしらあなたが大事にしていることに抵触するから、もしくはあなたが本心では憧れているから気になる=あなたにとっての重要度が高くなる。
そして、重要度が高いものはあなたの世界に居座るという構造になっています。
嫌な人や嫌いなものへの対処方法
さて、嫌いな人も嫌なものも自分にとって重要度が高いためにあなたの世界に表れていることはわかりましたが、それに対して具体的にどう対処すればいいのでしょうか。
ひとことで言えば、それはあなたにとっての重要性を下げることに尽きます。
より詳細に言うと、次の手法を取るようにしてみてください。
- 自分の固定観念に気づく
- 相手のことを受け入れる
- 自分のことにフォーカスする
それぞれどういうことなのか、詳しく紹介していきます。
①:自分の固定観念に気づく
まず、相手に対して嫌だなという感情を感じた時には、それを感じている自分を客観視してください。サマータイムレンダで慎平君がやっている「俯瞰するんやぁ~」というやつです。(アニメを知らない人はスルーしてください)
自分を冷静に見つめ、「私はどうしてこう思ったんだろう」と問いかけます。
そうすると、実はルールに縛られている自分が嫌だとか、「~べき」といった思考に陥っているとか、自分の中の思い込み=固定観念に気づくことができます。
実は怒りや憎しみといったマイナスに感じる感情も、自分の中の思い込みに気づくチャンスなのです。
そして、その固定観念が絶対的に正しいものではないと認識しなおしてください。正しいというのは自分の勝手な思い込みにすぎません。
②:相手のことを受け入れる
自分を相対化することができたら、嫌な相手のことを自然と受け入れられるはずです。
先ほどの例で言えば、A子さんは仕事をさぼっているけど、そもそも雇われ仕事で真剣になりすぎるのも変です。彼女くらい肩の力を抜いて業務に臨んだ方が結果もついてくるかもしれません。
また、B男くんは確かにうるさいですが、彼のような人がいなければクラスはお通夜状態になってしまうかもしれません。
このように、フラットな見方で相手のことを評価できるようになります。
本当に嫌いな人は受け入れるのに時間がかかるかもしれませんが、そのことで思い悩むより「この人は私とは違うけどいい点もあるんだな」という思考ができた方が毎日幸せに過ごせるはずです。

でも、うざすぎるやつもいるじゃん。そんな人のいい点を探すのは無理無理。
もちろん、すべてのことに対してプラスの面を探さなくてもいいです。
ただ、自分がなぜ相手のことを嫌だと思っているかを分析し、「くだらないことで悩んでいたな、どうでもいいや」と思うことです。どうしようもない人はどうしようもないのでこういった割り切りも必要です。
とにかく相手の重要性を下げていくことに尽きます。
③:自分のことにフォーカスする
自分の固定観念に気づき、相手のことを受け入れることができたら既に嫌な相手というのは存在しなくなります。
最後のトドメとして、自分が本当にやりたいことに集中するように心がけてください。
嫌なものや嫌いな人で悩んでいる時間というのは、ずっとそのことを考えているということです。でも、あなたにはもっと集中して取り組むことがあるのではないでしょうか。
自分の貴重な時間をどうでもいいことに浪費するのではなく、本当の意味で自分のために使うようにしてください。
例えば私の場合は「人生をゲーム化する」という手法をより多くの方に知ってもらうためにどう伝えたらいいのか、日々の中でどう実践していくかばかり考えています。
あなたにも何か集中して取り組みたいことがあるはずです。自分が本当にやりたいことを考えているとき、自分の世界には嫌いなものが介入してくる余地は全くありません。
あなたの貴重なエネルギーをすべて、自分にとって本当に必要なことに注いで下さい。

本当にやりたいことをやっていたら嫌な人にかまっている時間はないね。
自分を冷静に見つめ、必要なことを見つけるヒントは読書にある
「でも、自分の本当にやりたいことが分からない…」
「どうやって自分の固定観念に気づくのは難しそう」
そんな方はぜひ読書をして、新しい視点を取り込むようにしてください。
本というのは私たちより100倍以上頭のいい方たちが人生をかけて考えたことを凝縮した人生の攻略本です。あなたの視点を相対化して、やりたいことに気づかせてくれます。
活字を読むのが苦手という方でも大丈夫。私も最近は忙しい中でも聞けるAmazonオーディブルをフル活用して情報をアップデートしています。大量の本を隙間時間に聞けるので体験してみてはいかがでしょうか。
今回のまとめ
あなたの世界は全てあなたが生み出したものです。私たちはそれぞれ異なる世界に生きており、それが時折交わっているにすぎません。
そして、あなたの世界に現れる=重要度が高いということです。重要性が低いものは目に映っていたとしても認識には上らず、あなたの世界には存在しません。
だから嫌いな人や嫌なものであっても、あなたが認識している以上は何かしらあなたにとって重要なものがあるというサインです。
なぜ私はこんなに執着しているのかと冷静に見つめなおし、自分の中の思い込みを解きほぐしていきましょう。そうすると相手のことも「まあそんなこともあるよね」とか「どうでもいいや」という状態になります。
さらに、相手ではなく自分のことを考えエネルギーを注ぐようにしてください。また別の記事で解説しますが、嫌なことも嫌いな人も所詮ゲームのモブでしかないです。
人生の主人公はあなたです。どうでもいいことに振り回されず、人生の操縦桿を握り冒険を楽しみましょう。
コメント