「引き寄せの法則」は万能の法則で、どんな願いもかなえてくれる。
そんな風に思っていると、とある罠にはまってしまう危険があります。
私の友人はかつて「引き寄せの法則」に心酔していました。
「思考は現実化する」「ポジティブに考えれば、望むものが手に入る」——そんな言葉を信じて、毎日アファメーションを唱え、ビジョンボードを作り、感謝日記を書いていたそうです。
最初のうちは小さな幸運が舞い込むことが多く、臨時収入が入ったり、偶然にも欲しかった物が手に入ったりしました。これは本当に「引き寄せの法則」のおかげなのかもしれないと、どんどんのめり込んでいったそうです。
しかし、その一方で、引き寄せの法則には危険な側面もありました。すべての物事を「自分の思考の結果」と考えるようになり、うまくいかないことがあると「自分のネガティブな思考のせいだ」と自分を責めるようになってしまったのです。
今回はそんな彼の失敗談を通して、引き寄せの法則の危険性・嘘と正しい使い方についてお伝えします。ただ、今回はかなり本質的な内容に迫っていきます。本当に引き寄せの法則を正しく理解して人生を変えたい方以外は読まないでください。
引き寄せの法則の危険性と正しい活用法
私の友人を反面教師として、あなたには正しい方法を知ってほしいです。まずは彼の場合はどこがいけなかったのかを分析してみましょう。
1. 自己責任の罠にハマる
引き寄せの法則を信じすぎると、何か悪いことが起こったときも「すべては自分の思考のせい」と考えてしまうことがあります。たとえば、友人が突然冷たくなったとき、「自分がネガティブな感情を持ったせいかもしれない」と思い込み、必要以上に自分を責めてしまったそうです。
正しい方法: 自分の思考がすべての原因だと考えず、状況を客観的に分析することが大切です。相手にも事情があるかもしれませんし、単なる偶然の可能性もあります。
そもそも、自分の思考が世界を作ると言ってもあらゆることを思い通りにコントロールすることはできません。私たちがコントロールできるのは起こったことへの解釈だけです。
そして、その制御不能なことで自分を責めてしまうと「自分はなんてダメなんだ」と自己肯定感が下がり、結果としてパフォーマンスが低下します。自分が変えられる部分と変えられない部分を峻別して、コントロールできる部分だけに全力を注ぐのが正しい方法です。
このことに関しては次の記事でも詳しく掘り下げているので興味のある方は読んでみてください。
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2. 行動を怠る危険性
引き寄せの法則では「思考が現実を作る」とされているため、「願えば叶う」という考えに陥りがちです。しかし、現実には「願うだけ」では何も変わりません。それを吹聴している人がいたら100%嘘なので離れるようにしてください。
たとえば、私の友人は「お金持ちになりたい」と強く願い、毎日「私は豊かだ」とアファメーションを唱えていました。しかし、実際には行動を起こさず、投資やスキルアップの努力をすることもなかったのです。結果として彼の経済状況は変わらず、「引き寄せの法則は嘘だ」と失望してしまいました。
正しい方法: 引き寄せの法則を信じるだけでなく、具体的な行動を起こすことが重要です。当たり前に感じますが、引き寄せの法則=行動をしなくて注文すればOKと誤解している人がかなり多いと思います。等価交換の法則は絶対に避けて通れないので、目標達成には努力と実践が必要です。
そもそも、正しく引き寄せの法則を実践しているなら行動が変わります。具体的には自分の目標達成に必要な情報を集め、毎日目標に向かって自然と努力するようになります。「棚からぼたもち」を待っているだけでは現実は変わりません。
引き寄せの法則=あなたの思考を書き換えて行動を促すためのツールです。あくまで行動ありきということは忘れないようにしましょう。
3. タイムラグに対してネガティブな感情を抱いてしまう
引き寄せの法則=あらゆることが即座に叶うという誤解を持っていると、それが達成されなかったときに「これも私のせいなんだ」「やっぱりうまくいかないんだ…」とネガティブな感情を抱いてしまうことがありますが、実際は現実化までに時間がかかります。
また、時間がかかることでやきもきしてしまい、自分の願望ばかりに執着してしまうことも目標達成を遠ざけてしまうことになります。
正しい方法: 自分の理想が達成されるのには時間がかかるということを知ってください。あなたの現実は理想に向かって徐々に書き換わっていくイメージです。朝起きたら別人になっていたというような漫画みたいな展開はありませんが、着実に変わっていくことができます。その過程も楽しむようにしてください。
そして、執着はしないようにしてください。結局執着をしてしまうと行動量も減りますし、余裕がなくなって有益な情報をキャッチすることもできなくなってしまいます。つまりデメリットしかないのです。

正しいやり方で実践しないとむしろマイナスになってしまうんだね。
どうすれば引き寄せの法則の嘘を回避して活用できるか?
引き寄せの法則が完全に間違っているわけではありません。ポジティブな思考を持つことで、やる気が出たり、チャンスに気づきやすくなるのは確かです。しかし、それを「思い込むだけで何でも叶う万能な法則」として信じ込むのは危険が伴います。
1. 「思考」と「行動」のバランスを取る
ポジティブな思考を持つのは大切ですが、それだけでは何も変わりません。実際に行動を起こすことが、現実を変える第一歩になります。
繰り返しますが一番危険なのは「引き寄せの法則=願えばすべてが叶う」という認識を持ってしまうことです。人間はどうしても楽な方に流れる生き物なので、薄々気づきつつも努力をしないような解釈をしてしまうことが多くあります。
あなたが引き寄せの法則を実行している時に、思考と行動のバランスがちゃんと取れているかどうかを自問自答するようにしてください。
2. 自分を責めすぎない
悪いことが起こったときに「自分の思考が悪かったせいだ」と責めすぎないことも大切です。人生には予測できないことがたくさんあり、すべてをコントロールすることは不可能です。そのため、自分にとって制御できるものと制御できないものをしっかりと区別することが大事です。
コントロールできないことは「この経験も今後活きてくる布石なんだろう」と軽くとらえて、自分の目標達成に向けて何か示唆を与えてくれていないかを冷静に観察してください。
逆にコントロールできるものに関しては自分のエネルギーを注ぎ込み、行動することであなたの世界が徐々に変わっていくことを実感できると思います。
3. 科学的な視点を持つ
引き寄せの法則を神秘的なパワーだと盲信せず、心理学や脳科学などの視点も取り入れることで、より現実的なアプローチができます。
どうしても引き寄せ=スピリチュアルな観点からとらえてしまいがちですが、そうではなく自分のマインドを変えて現状を打破するための思考方法として考えるのが現実的です。
そのためには自分の達成したい目標に対してどうやってアプローチすればいいのか、どうやって自分の思考を変えればいいのかを情報収集しましょう。
最強なのはやはり読書です。先人たちが経験し思考したことが1冊にまとまっているのでどこよりも有益な情報を得ることができます。私も使っていますが忙しい方は耳で聞くAmazonオーディブルもおすすめです。
引き寄せの法則の危険性と嘘に騙されないように
引き寄せの法則にはメリットもありますが、使い方を間違えると危険な側面もあります。「願えば叶う」と思い込みすぎて行動を怠ったり、悪いことが起こったときに自分を責めすぎたりしてしまう可能性がありますがそれは逆効果です。
大切なのは、「ポジティブな思考」と「現実的な行動」のバランスを取ることです。引き寄せの法則を盲信するのではなく、あくまで「一つの考え方」として取り入れ、冷静に活用することが必要です。
もし引き寄せの法則に頼りすぎているなら、一度立ち止まって考えてみてください。本当に大切なのは、願うことではなく、「行動すること」なのです。
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